今年の皐月賞は、近年稀にみる混戦模様。
こういう戦国クラシックは、本当に久しぶりな気がする。
イメージとダブるのは、93年シーズン。まあ、競馬ブッ○の某氏も指摘していたが、上位馬は確かに戦績、脚質が通じるところがある。
【1993年】
馬名成績主な戦績
ナリタタイシン2402(たんぱ3歳、シンザン記念2着、弥生賞2着)
ビワハヤヒデ4200(デーリー杯、朝日杯2着、共同通信杯2着、若葉S)
シクレノンシェリフ2000(毎日杯)
ウイニングチケット4001(ホープフルS、弥生賞)
アンバーライオン2203(函館3歳S2着、シンザン記念)
ラガーチャンピオン3413(新潟3歳S2着、アーリントンカップ2着、スプリングS2着)
ステージチャンプ1113(弥生賞3着)
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【2006年】
アドマイヤムーン5100(札幌2歳S、たんぱ2歳S2着、共同通信杯、弥生賞)
サクラメガワンダー3102(たんぱ2歳S)
ジャリスコライト3010(朝日杯3着、京成杯)
ドリームパスポート2320(京都2歳S2着、きさらぎ賞、スプリングS3着)
フサイチジャンク4000(若駒S、若葉S)
フサイチリシャール4201(東スポ2歳S、朝日杯、共同通信杯2着、スプリングS2着)
メイショウサムソン4311(東スポ2歳S2着、中京2歳S、きさらぎ賞2着、スプリングS)
朝日杯で好成績をあげ、年が明けて今一つ勝ち切れなかった先行脚質のビワハヤヒデには、フサイチリシャールがカブる。また、暮れのラジオたんぱ杯2000mで強い勝ち方をして、やはり年明けにワンパンチ足りなかった追い込み馬ナリタタイシンは、サクラメガワンダー。王道ローテの弥生賞を制した差し馬ウイニングチケットはアドマイヤムーン。戦績こそ違え、高い素質と名血で人気し、無敗で挑んだシクレノンシェリフには、フサイチジャンクがぴったりである。
さらに、押せ押せローテで叩いて成績を上げてきたラガーチャンピオンは、メイショウサムソン。デビューから高い素質を買われながら、どういうわけだか使い惜しみをして穴人気になったドージマムテキはジャリスコライト、どんな相手にも善戦してみせるものの、勝ち切るだけの力がなかったマイネルリマークはドリームパスポートがダブる。
ただ、当然ながらまったく同じというわけにはいかない。タイシンはリヴリア産駒で素軽いキレを身上としたが、サクラはグラスワンダーで重厚な息の長い末脚という印象だし、チケットはトニービンの仔で中山よりは東京でこその名中距離馬だったが、アドマイヤはエンドスウィープで軽快なマイラーという印象を受ける。ビワハヤヒデのシャルードとリシャールのクロフネは、比較的似た印象かもしれない。同じ葦毛でもあるし。
こう考えてみると、バッチリ当てはまるわけでもないが、傾向として検討の余地はありそうかなと。実際に93年はナリタタイシンが上がり最速の34.6秒でまとめて差し切るわけだが、この芸当はサクラメガワンダーにもできそうな気がする。また、4角で逃げたアンバーライオンを捕え、押し切れるかに見えたビワのレースは、リシャールも可能だ。
ただ、チケットとアドマイヤがどうしてもカブらない。戦績は似ているが、なんていうかチケットって典型的なクラシックホースで、ダービーを勝つために生まれてきた印象がある。過去の名馬になぞらえるなら、アドマイヤはむしろヤエノムテキ的な感じがあり、仕上がり早のマイラーが絶対能力で中山2000mを勝ってしまいそうな気がするのだ。
また、最大の惑星となりそうなフサイチジャンクだが、3着入線したシクレノンとはまったく印象が異なる。そりゃリアルシャダイで早熟のステイヤーであったシクレノンと、サンデーの仔ジャンクでは印象は違うだろう。むしろ、ステップからトウカイテイオーに似ているとみる向きも多いのでは?
あと、怖いのはメイショウサムソン。オペラハウス産駒はテイエムオペラオーをみればわかるとおり、勝ち始めたら止まらない傾向がある。使い詰めにも強い。スプリングSで確変モードに入ったとしたら、これは怖い1頭かもしれない。
とまあ、枠順が発表されてもここまで迷うのだから、いかにも混戦であることがわかるというものだ。とっくり検討して、直前に予想を述べようと思う。
【写真=1993年、武豊を背にナリタタイシンがビワハヤヒデ、ウイニングチケットらをまとめて差し切り、勝利】